黒い殺意 (2013):映画短評
黒い殺意 (2013)『ウルヴァリン』超えの珍妙テイスト
でんでん、神楽坂恵、國村隼と、園子温リスペクトしか思えないキャスティングが揃った香港=中国合作。それも、これも『無問題』『ドッグ・バイト・ドッグ』など、プロデューサーとしていい仕事をするのに、自身が監督すると“どこかで見たことある作品になっている”サム・レオン監督・脚本作だからである。
邦題よりも香港タイトル「温泉」や中国公開タイトル「人間蒸発」の方がしっかり内容を伝えている今回も、日本映画学校卒業生として恥じないぐらい『犬神家の一族』ノリから始まるのだが…。
霊感が強すぎるヒロインからヤリコンサークルの大学生まで、アヤしい主要キャラに混乱させられた末、「そこスか!?」という真犯人には苦笑。結局、「おちちゅーて!(落ち着いて!)」を連呼して出オチだったレオン監督作の常連、サム・リーに尽きてしまうのであった。
現地ポスターに“あえて日本語で”書かれたキャッチ「邪悪な欲望に直面して、核放射能はもはや恐怖です!」のように『ウルヴァリンSAMURAI』超えの珍妙テイストにハマりたければ是非!