ぶどうのなみだ (2014):映画短評
ぶどうのなみだ (2014)ヨーロッパ的スローライフへの憧れは分かるのだけど
挫折した元世界的指揮者がワイン造りを通して再生していく姿を、我の強い兄に複雑な感情を持つ弟と、どこからともなく現れた自由奔放な女性との心の触れ合いを絡めて描いていく。
中央ヨーロッパ風の牧歌的な衣装やセット、オーガニック野菜たっぷりの食事などなど、ナチュラル系女性誌から抜け出したようなお洒落ビジュアルは、確かに北海道の風景とマッチするものの、その過度な西洋かぶれが逆に作品の印象を軽薄なものにしている。ジプシー風の音楽隊とか、正直見ていて小っ恥ずかしい。
エミール・クストリッツァ辺りに感化されたのだろうなと想像しつつ、結局のところスローライフ好き女子向けのファンタジーとしか思えず。
この短評にはネタバレを含んでいます