神さまの言うとおり (2014):映画短評
神さまの言うとおり (2014)ライター2人の平均評価: 3.5
いい子は真似しちゃダメな映画です。
こんなイイ加減な映画撮ってもしっかり面白いんだから三池崇史は流石といえるが、それにしてもあまりにも…なエンディング。続篇への引き伸ばしというより、そんなの考えずにヤリ逃げしたふうなパンキッシュさに、同類作が多すぎる理不尽デスゲームものを笑いのめし骨抜きにせんとする作者の顔が透けて見えるようだ。ま、俳優陣よりもむしろ、山崎努やトミーズ雅、ダチョウ倶楽部に前田敦子といった、声だけではっきり顔が見える声優陣の迫力が勝ってはいるが。ただ、最初の「ダルマさんが転んだ」ゲームでの、規制を逆手に取った血しぶきビー玉はなかなかのアイディア。バラバラバラと音を立てて散らばる赤い粒は、迸る血糊より生々しい。
ポップコーンムービーとしては申し分なし。
とにかく、ツカミが巧い! ただ、『カイジ』同様、淡々とデス・ゲームが繰り返されていく感は否めないし、神木隆之介演じる天谷のキャラは『バトルロワイアル』の桐山とカブるものの、本編のようなカタルシスは感じられない。主人公たちに試練を与えるシロクマ(声:山崎努)やまねきねこ(声:前田敦子)のキャラなど、ブラックユーモアは満載だが、『悪の教典』ほどの不気味さもない。そして、原作「第壱部」終盤前で幕を閉じてしまう展開もどうかと思うが、ポップコーンムービーとしては申し分なし。また、ガッツリ制作費をかけて作り込めば、アホのように粗製濫造されるデス・ゲーム映画と一線を画す仕上がりになることも証明している。