ヴィオレッタ (2011):映画短評
ヴィオレッタ (2011)それでも写真のエヴァは素晴らしかった。
はっきり性的搾取であったとしても、実際のイリナ&エヴァの写真が相当に魅力的な「(悪趣味)アート」だという評価を僕は変えることができない(道徳観念を抜きにして)。この映画におけるヴィオレッタ=監督エヴァ(『思春の森』という超ヤバいロリ映画の主演でもある)は、撮影後に母親を訴えたりもしているが、実際に激しく愛憎半ばする関係なのは本作を観ても明らかだ。スノビッシュな上昇志向に囚われ、性的モラルなどどこかに飛んじゃった感のある(しかし偶然にも写真家の才覚があった)壊れた母親をI.ユペールが怪演しているが、反発を繰り返しながらもそんな母親に毒され、秘かな解放感をも味わっていくアナマリアが素晴らしい。
この短評にはネタバレを含んでいます