ネルソン・マンデラ釈放の真実 (2013):映画短評
ネルソン・マンデラ釈放の真実 (2013)私利私欲を捨てて信念のために行動した男
誰かの行いを正すためには、面と向かって糾弾したり抗議したりするよりも、相手が自ら態度を変えるまで辛抱強く対話と交渉を続ける方が効果的なことがある。ネルソン・マンデラ氏釈放のため尽力したフランス人実業家にスポットを当てた本作は、そうした地道な努力が大きく歴史を動かしていった過程を、関係者の証言とともに振り返っていく。
当時はマンデラ氏本人にすら存在を知られず、自らの私財まで投げ打って秘密裏に世界各国を奔走し、最終的にアパルトヘイトの撤廃にまで影響を与えたオリヴィエ氏の情熱と行動力には頭が下がる。作品的に掘り下げの足りない点もあるが、知られざる歴史の舞台裏に光を当てた意義は大きい。
この短評にはネタバレを含んでいます