パンドラの約束 (2013):映画短評
パンドラの約束 (2013)まずはともあれ「観る」「知る」ことから
本作に登場するのは反原発から推進派に「転向した人たち」である。それだけに原発受容の歴史的文脈を慎重に押さえているのが特徴。例えば悪名高きディズニーの番組『わが友原子力』(57年)も紹介される。
彼らの原発肯定の理由は環境保護の立場から。これは定番の意見。『100,000年後の安全』でも問題視された廃棄物処理は、現在普及している軽水炉ではなく、統合型になれば解決するという。だが我々が3.11で痛感したのは技術信仰そのものの危うさではなかったか。
とはいえ、もし(筆者も含む)反・脱原発派が「映画を観ないで叩く」行為に出ればヒステリックな怒りに閉じてしまう。ここからさらなる議論が始まって欲しい。
この短評にはネタバレを含んでいます