ペレ 伝説の誕生 (2016):映画短評
ペレ 伝説の誕生 (2016)リオ・オリンピックへ向けた国威発揚の意図も見え隠れ
スラム街の貧困層から国民的英雄へと登りつめた、サッカーの王様ペレの苦難と挑戦を描いた伝記映画だ。
と同時に、ブラジル独自のプレースタイルで本場ヨーロッパのチームを負かすペレの活躍により、後進国というコンプレックスを抱えた当時のブラジル人が民族の誇りに目覚めていくという、いわばオリンピックへ向けた国威発揚の意図も透けて見える。
ブラジル選手を野蛮人と嘲笑するヨーロッパ選手など、そういう風潮があったであろうことは想像に難くないが、しかし一方的な描写にも感じられる。俺たちには俺たちのやり方がある、世界基準なんか糞くらえだ!的な趣旨のメッセージも、決して否定はしないが少なからず賛否はあるはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます