ターニング・タイド 希望の海 (2013):映画短評
ターニング・タイド 希望の海 (2013)ぐらぐらな海で濡れ濡れ。この撮影、かなり無茶。
ゴールまで「孤独」な「ひとりゲーム」(これが仏原題)を強いられる実在の世界一周ヨット・レースを題材にした作品だが、皮肉にも感じるのは「太平洋ひとりぼっち」的な孤独は今や存在しない、ということ。主人公は不意の闖入者が現れる前から携帯電話はもちろんiPodやPC使いまくり。救命ボートが着水したら緊急信号が送られヘリが来るし、体調を崩せば衛星通信と電子聴診器のデータで医師が対応してくれる。それで「孤独」とはちゃんちゃらオカシイ気もするが、フォルムを変え続ける抽象画のような海の姿に圧倒されるのは間違いない。でも人間同士の関係は決して湿っぽくならず、スポーツマンシップに則ったスマートな描写で好感。
この短評にはネタバレを含んでいます