メモリー First Time (2012):映画短評
メモリー First Time (2012)オリジナルよりは上出来だけど。
確かに『アメノナカノ青空』と骨子は同じだが、原作のさほど効果的ではなかった要素を省き、食い足りない部分をかなり補足し、初恋の記憶にまつわるトリックを導入して、ほとんど別物な印象の恋愛映画に仕上げて大健闘。カセットテープのSideAとSideBになぞらえ、作品の中盤で物語の裏側を暴いてしまうことで、アンジェラベイビーとマーク・チャオの若く清新なコンビだけでなく、アンジェラの母親ジャン・シャンとマークの父親(実生活でも父親!)アレン・チャオの物語を重層的に描くという構成の妙もある。ただいかんせん虚構性濃厚な話ではあるので、そこにノれるかどうかが問題だ。チープなCGはご愛嬌としても。
この短評にはネタバレを含んでいます