ローマの教室で ~我らの佳き日々~ (2012):映画短評
ローマの教室で ~我らの佳き日々~ (2012)4年F組悩める先生たち。
原題の「赤と青」は生徒を進級させるか否かの際、「セーフ」と「落第」を両色の鉛筆でチェック分けすることによるらしい。つまり自分たちの教育信念に対して二律背反を迫られる三人の教師を示しているのだが、この各人の悩みにちょいと色気があるのがいい(ただし、どのエピソードもいささか中途半端な結末に終わるのが映画の印象を弱くしている)。最も面白いのが偏屈者の美術教師。教育への興味などすっかり失った老害の権化だが、ときおり真実めいた言葉を理想に燃える若い教師に吐き捨てたり、 “異なる文化”を持つコールガールを部屋に呼んで愉しんだり、と、どことなく『グレート・ビューティー』の主人公を想わせるキャラクターだ。
この短評にはネタバレを含んでいます