ブライアン・ウィルソン ソングライター PART2 ~孤独な男の話をしよう~ (2012):映画短評
ブライアン・ウィルソン ソングライター PART2 ~孤独な男の話をしよう~ (2012)ポップス史上稀有な超大河個人評伝、物語はまだ半ば。
「スマイル」プロジェクト挫折後、天才が精神を崩壊させたところから始まる第2部だけに、全体のトーンが暗くなるのは致し方なし。メンバーの無理解と反目、それでいて客寄せパンダ的にライヴに駆り出されて疑心暗鬼も増し、また引きこもり生活へ。停滞期のブライアンを観るのはファンとして未だに辛いが、複眼的なインタヴュー証言と学者による音楽的革新性の解析など、その魅力を存分に伝える手法は第1部と変わらず。「サーフズ・アップ」「ラヴ・ユー」といった隠れた名作の他、実験的でレアな音源が持つ意味の大きさをクローズアップしてくれるのも嬉しい。でも本作もソロ・アルバムのリリース前まで。PART3があるのは間違いない。
この短評にはネタバレを含んでいます