ワンダフルワールドエンド (2014):映画短評
ワンダフルワールドエンド (2014)橋本愛に大森靖子の魂が憑依している!
楽曲にインスパイアされる形でMVを短編映画的に作り、そこから長編に転がして音楽と映画を批評的につなぐ――という新回路を試みたのがクリープハイプとコラボした松居大悟監督の『自分の事ばかりで情けなくなるよ』だった。そして大森靖子のMV発の本作はそれを踏まえたワンレベル上の快作!
驚くのは童貞物を得意としていた松居が完全に大森の世界に寄り添い、ラジカルフェミニズムに近い女子映画を立ち上げていること。橋本愛が「ミッドナイト清純異性交遊」を口ずさむ処はそのシンクロ純度をよく示す。
ツイキャスなどネットツールを取り入れた同時代スケッチからファンタジーへとぶっ飛んでいく展開は、繊細かつパワフルで圧巻だ。
この短評にはネタバレを含んでいます