起終点駅 ターミナル (2015):映画短評
起終点駅 ターミナル (2015)贖罪と再生というテーマにしっかり向き合った作品
過去の罪悪感から自らを罰するように孤独な生活を送る中年男が、複雑な事情を抱えた若い女性との出会いと交流を通じ、人生の新たな一歩を踏み出す。
ことさらドラマチックな出来事が起きるわけでもなく、荒涼とした冬の北海道の景色に主人公の抱える哀しみを投影しつつ、淡々とした静かな語り口で揺れ動く心を丁寧に汲み取る。贖罪と再生というテーマにきちんと向き合った心に染み入る映画だ。
その佇まいだけで言葉にならない心情を表現する佐藤浩市の演技はさすが。惜しむらくはヒロイン役の本田翼だ。果敢に新境地へ挑んではいるものの力量不足は否めず。彼女の内面がしっかりと伝われば、より奥行きのある作品になっただろう。
この短評にはネタバレを含んでいます