ストレイヤーズ・クロニクル (2015):映画短評
ストレイヤーズ・クロニクル (2015)![ストレイヤーズ・クロニクル](https://img.cinematoday.jp/a/T0019513/_size_640x/_v_1432550352/main.jpg)
ライター2人の平均評価: 1.5
廃墟ロケが作家的刻印?それではあまりに悲しい。
原作通りなのだが、対立する超能力者勢力の片方のボスが車椅子って。ちょっと困ってしまうくらいマーヴェルの“アレ”を連想せざるを得ず、しかし各人の能力がセコすぎて見栄えがしないのがまず見世物として落第。テッポウウオだのバッタだのの遺伝子を組みこんだ、みたいな仮面ライダー的要素は省かれているが、むしろそこを思いっきり拡大したほうが絶対楽しめたはず。『ファースト・ジェネレーション』(あ、言っちゃった)的な青春の切なさも醸し出そうとはしているものの空回りだし、そもそもラストの「かけ過ぎだよ」の台詞で普通に笑いが起こるようじゃねえ…。人類壊滅へと導く首謀者の意図も個人的な感傷に過ぎず説得力ゼロ。
挑戦しすぎた結果、映画も“破綻”しました
プロデューサーは同じ脚本家を起用することで、“戦う『桐島』”を目指したようだが、明らかに“日本版『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』”。若手中心のキャストやゲス乙女の楽曲提供、『MOON CHILD』以来のアクション映画となる瀬々敬久監督の登板と、その意欲的な制作陣の姿勢に、薄っぺらい原作を超えてくれるのでは…と期待は膨らんだが、残念ながら悲しい結果に。なにしろ個性的なキャラの能力が生かされておらず、異能力者の彼らだけでなく、映画そのものも破綻していく状況に。かといって、同プロデューサーの『MONSTERZ』ばりに狂ったシーンもない。ただ、岡田将生が意外と動けることだけは分かった。