ふたつの名前を持つ少年 (2013):映画短評
ふたつの名前を持つ少年 (2013)幼い少年の決死のサバイバルから見えてくるのは?
第二次大戦中のポーランドでゲットーから脱走した8歳のユダヤ人少年が生き延びれる確率は相当に低いはず。それを題材にした映画なので、ファンタジー系かと思ったが、極限下にある人間の素顔をまざまざと見せつけるリアルな作品だった。生き延びるためにユダヤ名を捨ててポーランド名ユレクを名乗る少年は孤児の集団でサバイバル術を学び、次々と迫る危険をかわしていく。まさに危機一髪としか言えない瞬間もあり、見ていてヒヤヒヤしっぱなし。少年が出会う人々もさまざまで、ナチスの圧政に苦しんだポーランド国内にユダヤ人に対してさまざまな思いが渦巻いていたことがわかる。戦争に善悪も白黒もないけれど、人間性は暴かれます。
この短評にはネタバレを含んでいます