映画 ブラフマン (2015):映画短評
映画 ブラフマン (2015)アーティストの人間的魅力を「伝える」ことの感動
2週間限定から大反響で拡大公開。それも当然の胸を打つ傑作だ。監督・箭内道彦は「僕」という一人称&ワンカメで、ブラフマンのカリスマ性の裏にある親密さを立体的に切り取る。
前半で4人のキャラクターをくっきり打ち出し、家族・仲間や元メンバーも紹介。グレーのバックシートで統一したシンプルなインタビューシーンもいい。後半はTOSHI-LOWの心境変化に焦点を当て、震災や子育て等のターニングポイントを経て、それまでの人生=歴史が統合・昇華するように新曲「其限」の誕生へ向かっていく。
箭内は最初で最後の監督作と銘打っているが、これに影響を受けたアーティスト・ドキュメンタリーが後々出てくるのではないか。
この短評にはネタバレを含んでいます