バレエボーイズ (2014):映画短評
バレエボーイズ (2014)ライター2人の平均評価: 3.5
萌え系要素もたっぷりな男子バレエの世界
プロのバレエダンサーを目指して日々鍛錬に励むノルウェーの少年たちの姿を、12~16歳までの4年間に渡って記録したドキュメンタリー映画。
カメラは彼らのひたむきな情熱に真正面から向き合い、眩いばかりの青春の煌きを丹念に捉えていく。不安や葛藤を抱えつつも、好きなことに全力で打ち込む彼らの汗と涙に、若いっていいなあと改めて痛感。
その一方、ロッカールームでの着替えシーンやら、半裸で男子同士じゃれあうシーンやら、思春期の少年の美しさを存分に堪能できる萌え系要素もたっぷり。もしや…と思ったら、この監督さん、もともとLGBT関連のドキュメンタリーを撮ってきた人らしく、素直に納得です(笑)。
少年たちの12才から16才を言葉ではなく動きで映し出す
3人の少年たちが、ひとつのことに打ち込みつつ、それでいいのかと苦悩もする、そのさまざまな瞬間が、時間の経過に沿って映し出される。各場面が何年なのかは表示されないが、12才から16才という少年が大きく変化する時期なので、彼らの顔と体がどんどん変わっていくことで、時間の経過が分かる。カメラは、彼らの心情を、言葉ではなく表情や動きで捉えるので、映し出されるものがみずみずしい。そして16才になった彼らは、自分と友人が何かを共にしてきても、仲がよくても、互いに同じ人間ではないという事実に直面する。その痛み。場所も境遇も違うが、ケン・ローチ監督の「SWEET SIXTEEN」を思い出させる。