白い沈黙 (2014):映画短評
白い沈黙 (2014)暴きたくなる秘め事がないのが物足りない
灰色の空に覆われ凍り付いたような田舎町で起きた事件を軸にしたアトム・エゴヤン監督作なので、『スウィート・ヒアアフター』的な心理ドラマを期待したら……。裏切られたというか、直球なミステリーでした。しかもミステリーとしては穴だらけ。まずITを駆使する犯人のモチベーションが不明瞭だし、警察が誘拐された少女の父親を疑う根拠も薄い。エゴヤン監督は静謐さと激しさが微妙なバランスで均衡する人間心理を描くのが得意で、台詞や行動に秘められた本音を推測しながら見るのが醍醐味のひとつ。でも本作は暴きたくなる秘め事を抱えたキャラクターが見当たらないのが欠点。主演ライアン・レイノルズのファンなので★一つおまけ。
この短評にはネタバレを含んでいます