懲罰大陸★USA (1971):映画短評
懲罰大陸★USA (1971)アメリカンニューシネマ全部盛りの衝撃的POV
アメリカンニューシネマの時代に、こんな凄まじいフェイク・ドキュメンタリーが作られていたとは嬉しい……というか、衝撃的な発見。
反体制活動家を送り込む“懲罰公園”は実質的には、横暴な権力が生み出した死刑執行の場。殺気立った警官や軍人に追われるそこでのサバイバルに加え、受刑者たちの訴えはひと言ひと言がとにかく重く、社会を成立させる“暴力”について考えずにいられない。
ベトナム戦争や人種問題など、当時のアメリカンニューシネマで描かれていたすべてを内包し、それを生々しくぶちまけた快作。米国で封印されてきたのも納得。ヌルいフェイク・ドキュメンタリーが乱造される現代にも十分に訴えるものがある。
この短評にはネタバレを含んでいます