全力スマッシュ (2015):映画短評
全力スマッシュ (2015)バカバカしいけど憎めない、ハートに優しいコメディ
負け犬の必死の努力がカタルシスとなるのがスポーツ映画の醍醐味。バトミントンがテーマの本作も同様だが、根底にあるのは『少林サッカー』的なバカバカしさ。シャトル型隕石が落下する冒頭はもちろん、登場人物のキャラ設定、バトミントン特訓法とすべてが奇想天外で、思わず「マジっすか?」と問いかけたくなるほど。でも、それこそが香港コメディの魅力なのだ(多分)。『ファイアー・レスキュー』でパニック部分だけでなく人間ドラマも丁寧に描いたデレク・クォック監督らしく、登場人物たちのアホらしい過去を大真面目に描いたのも効果的。ダメ人間な彼らがチームとしてまとまる姿も微笑ましく、心の中で声援を送る自分に気づくはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます