嫌な女 (2016):映画短評
嫌な女 (2016)初監督としての意気込みだけは伝わる
ネクラでクソ真面目な女性弁護士と、他人の迷惑を顧みない勝手気ままな女詐欺師。このまるで正反対な従姉妹同士の奇妙な友情をコミカルに描く。
女優・黒木瞳の初監督作品。原作への強い思い入れが嵩じてのことだったらしく、確かに意気込みは十分過ぎるくらい伝わってくる。とはいえ、演出の稚拙さは如何ともしがたい。工夫を凝らしたのであろうシーンも空回り。そもそも、あからさまに頑張りが見えてしまうのは未熟な証拠だ。
ただし、役者の顔ぶれは悪くない(佐々木希のぞく)。そこはさすが経験豊富な女優さん。中でも永島暎子は抜群の上手さだし、彼女の魅力を知り尽くした演出も功を奏している。
この短評にはネタバレを含んでいます