1001グラム ハカリしれない愛のこと (2014):映画短評
1001グラム ハカリしれない愛のこと (2014)人生は計測できないからこそ面白い
規則正しい単調な毎日を合理的に生きてきたノルウェーの女性が、花の都パリで新たな生き方と幸せを見つける。
物語の鍵となるのはキログラム。計測のプロとしてパリの国際会議に出席するヒロインだが、実はキログラムの定義というのは明確なようでいて不完全だったりする。同じように、完璧な人生などというのもありえない…というわけだ。
ベント・ハーメル監督らしいミニマルな様式美が主人公の抑制された孤独な内面を象徴しつつ、セリフではなく色彩やムードの変化によって彼女の心理的な移り変わりを捉えていく。唐突なエンディングも含めて、全体的にかなり素っ気ない印象だが、後からジワジワと来るものがある。
この短評にはネタバレを含んでいます