カンフー・ジャングル (2014):映画短評
カンフー・ジャングル (2014)ライター2人の平均評価: 4
エンドクレジットにきっと涙する!
『アイスマン/超空の戦士』の決着つかぬまま(本国でも後篇が未公開)、宇宙最強ドニー・イェンと、少林寺出身の“動ける金山一彦”ことワン・バオチャンが二回戦突入! 武術を突き詰めた男の性という深いテーマをミステリアスに描く、カンフー版『フルタイム・キラー』ともいえるが、各種目のチャンピオンとのバトルに重きを置いたことが裏目に出たか、ドニーがテディ・チャン監督と前回組んだ『孫文の義士団』に比べ、ドラマ性は薄く、カタルシスにも欠ける。とはいえ、モニターに映る『酔拳』のジャッキーからすっかり悪人面のマン・ホイまで、カンフー&アクション映画を支えた裏方をリスペクトした卑怯すぎるエンドクレジットで帳消しに!
カンフー映画を愛するすべての人に贈られた宝物
ブルース・リーに始まる香港カンフー映画を担う男ドニー・イェンがまたやってくれた! 武術界のトップ争いにサスペンスをからませた内容も心躍るのだが、やはり見るべきはアクション。『七小福』メンバーのユン・ブンが武術指導を務め、敵役のワン・バオチャンや元チャンピオン役に武術の達人をそろえている。戦いのシーンは見ている側も全身がピリッと緊張するはず。エレガントなドニーのアクションと荒々しく舞うバオチャンの最終決戦はカンフー映画史上BEST5に入る迫力。そして見逃せないのがエンドクレジット。のレイモンド・チョウ社長はじめカンフー映画製作に関わった人々がカメオ出演しているのがわかり、感涙マスト。