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創造と神秘のサグラダ・ファミリア (2012):映画短評

創造と神秘のサグラダ・ファミリア (2012)

2015年12月12日公開 94分

創造と神秘のサグラダ・ファミリア
(C) Fontana Film GmbH, 2012

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

中山 治美

観光では分からない未完の傑作の光と影

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

着工から130年。
一体どれだけの人が建築に関わったのだろう。彫刻家・外男悦郎氏にステンドグラス職人など本作に登場する方々だけでも膨大な数。その専門分野の幅の広さからもこの教会が宗教的な意味を超えて総合芸術の逸品であり、同時にバルセロナっ子にとってはスペイン内戦を共に生き抜いた”盟友”であることを再認識する。彼らの崇高な思いが建物の威厳と孤高を際立たせているのだろう。
一方で、終わりの見えぬプロジェクトに反対する声や、時代の変化が建築に脅威を与えている一面も描き出す。
そうした賛否も含め、街のシンボルたる建物とは?を一考するに最適な作品。特にスクラップ&ビルドが進む東京においてはね。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

まるでこの建造物の内部を散策しているよう

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 画面を見ていると、自分がこの建造物の中を歩き回りながら、この建造物について自分はどう感じるのか、どう考えるのかを自問しているかような感覚に陥る。このドキュメンタリーは、観客にそんな体験させるための装置として作られているのではないか。
 ナレーションはあるが、それは監督の意見を表明するためのものではない。建造物の中を映し出す映像のところどころに挿入される、多様な立場の人々のこの建造物についての意見の数々は、その肯定的/否定的、個人的/社会的な違いとは無関係に、すべて同等に配置されているので、観客は、その意見のすべてからほどよい距離をとって、自分が感じていることに意識を向けることができる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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