黒崎くんの言いなりになんてならない (2016):映画短評
黒崎くんの言いなりになんてならない (2016)ひたすら、ありえないシチュエーションを楽しむ
冒頭にダイジェストで流れるTVドラマ版は、『俺物語!!』の河合勇人監督だけに、3人の出会いなど、しっかり“物語”が描かれていたが、その続編となる本作はスゴい。ヒロイン・由宇を巡り、黒悪魔と白王子が手を変え品を変え、さまざまなテクニックで競いまくる。観客はそのありえないシチュエーションを楽しむという、近年の少女マンガの映画化でも異例の体感型である。とはいえ、由宇が決断するラストまで引っ張れるのは、『近キョリ恋愛』よりパワーアップした小松菜奈のコメディエンヌっぷりと、『BADBOYS』の司とも『銀の匙』の八軒とも違う中島健人の魅力。にしても、遊園地でも、1on1でも、白王子のツメの甘さが目立った。
この短評にはネタバレを含んでいます