サクラメント 死の楽園 (2013):映画短評
サクラメント 死の楽園 (2013)人民寺院をモチーフにしたカルト教団の凄惨な末路
南米の奥地で共同体を営むカルト教団に潜入した取材班が、一見すると平和そうなコミュニティの恐るべき実態を目撃する。あの人民寺院による大量集団自殺をモチーフにした実録系ホラーだ。
監督は筆者も敬愛する鬼才タイ・ウェスト。ご都合主義やセンセーショナリズムを一切排したリアリズム志向の演出は健在で、不穏な空気を漂わせながらじっくり不安と恐怖を積み重ねていく。実在するウェブメディアの取材レポートという形をとったPOV形式も功を奏している。
ラストの凄惨な集団自殺の地獄絵図も、衝撃的であると同時に切なく悲しい。これを機に、同監督の最高傑作『The House of the Devil』も日本公開を!
この短評にはネタバレを含んでいます