COMET/コメット (2014):映画短評
COMET/コメット (2014)恋する目には世界はこんなふうに映ってる
2人の男女の出会いからの6年間に起きたさまざまな出来事が、ランダムな順序で並ぶーーというだけならありがちな構成だが、本作では、その断片のひとつひとつが、価値も、比重も、すべて等しいものとして配置されている。そして、その断片のいくつかは、実際の出来事ではなく登場人物のどちらかの想像または夢かもしれず、さらにはひょっとしたらパラレルワールドの出来事かもしれない、というふうにも見えてくる仕掛けになっていて、なるほど恋愛状態にあるときの目に映る世界は、そういうものかもしれないと思えてくる。その断片の映像の色彩と質感が、冷たく硬かったり、甘く柔らかだったり、それぞれが別の風味なのも楽しい。
この短評にはネタバレを含んでいます