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ひそひそ星 (2015):映画短評

ひそひそ星 (2015)

2016年5月14日公開 100分

ひそひそ星
(C) SION PRODUCTION
平沢 薫

昭和の台所仕様の宇宙船が静かに旅をする

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 モノクロームの静かな映像と、ひそひそ声で描かれる、レトロな日本仕様の一種の「ダーク・スター」。日本仕様なので、船内は水の漏れる水道の蛇口、蛾が迷い込んだままの電灯、木製の床と、まるで日本の昭和の台所で、古びているがつねに清潔に掃除されている。乗組員は人間ではなく、日本人女性型のアンドロイド鈴木洋子と、少年の声で話す旧式ラジオ型の人工知能6・7・マーM。この船は宅急便の貨物船で、彼らの仕事は、宇宙のあちこちでひっそり暮らす、ごくわずかな数になった人間たちに宅急便を届けること。人間たちは30デシベル以上の音で死ぬ恐れがあるので、彼らは常にひそひそ声で話す。この静かな宇宙の冷たさが心地よい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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