アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー (2015):映画短評
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー (2015)ライター2人の平均評価: 3
ファッショニスタならずとも学びたい人生哲学がいっぱい
ファッション業界に疎い筆者は、このオバサマのことも全く存じ上げなかったが、なるほど、我が道をゆくとは彼女のための言葉かもしれない。
世界的デザイナーたちも一目置くN.Y.のオシャレ番長アイリス・アプフェル。その素顔に迫る本作では、彼女が若い頃から世間の常識や価値観に縛られず、しかし確固たる己の哲学と良識に従って生きてきたことが分かる。自由と無軌道は違う。それは独創的で奇抜ながらも、明確な美意識に貫かれた彼女の着こなしからも伺える。
人と同じ格好をしないのは、自分の意見を持つということ。94歳にしてなお人生もお洒落も楽しむ彼女の言葉には、ファッショニスタならずとも学びたい点が多い。
真のおしゃれ番長の楽しい生き方を見習いたい!
トレードマークのまん丸眼鏡を身につけてランウェイのフロントロウに座るおばあちゃまといえば、ファッション通にはおなじみのおしゃれ番長。日本の雑誌でも特集が組まれたアイリスの人生を振り返る本作は、彼女のおしゃれ哲学をあますことなく伝えてくれる。素敵と感じたアクセサリーやファッションをた個性的に組み合わせ、ブランド品にこだわらずに店で値切りさえもする。チャーミングなだけでなく、性根が据わった女丈夫っぷりがまたかっこいい。終活年齢だし、実際に夫と経営していた会社の備品を処分する場面も登場するが、ファッションを前にするとピンシャン! 前向きに楽しく生きるアイリスに元気をもらい、見習おうと決意。