珍遊記 (2016):映画短評
珍遊記 (2016)ライター2人の平均評価: 3.5
深夜ドラマでは出せない、正真正銘のクソ映画
劇場記録を叩き出した、『地獄甲子園』から14年。山口雄大監督があえて手を出さなかった原作についに手を出したわけだが、今度は明らかにアプローチが違う。山田太郎に松山ケンイチ、名物キャラ・中村泰造に温水洋一を配した分かりやすいキャスティングに、、バカバカしいシーンでも一切妥協を感じさせないCG技術。「勇者ヨシヒコ」との類似点も見られるが、あえて韓国のオープンセットを使ったロケ―ションの効果は大きく、決して深夜ドラマでなく“映画”であることを実証した仕上がりに。それらにより、これまでの画太郎作品の実写化に比べ、不気味さやキモさは控えめになったが、よりチャウ・シンチーに近いクソ映画になったといえる。
温水洋一がカンフーアクションに開眼!?
「西遊記」をモチーフにしたお下劣なギャグマンガの実写映画版。「地獄甲子園」に「バアアゾーン」と、漫☆画太郎作品の実写化には定評(?)のある山口雄大監督が演出を手がけている。
まあ、キャラクターのビジュアルがあまりにも違う、っていうのは仕方あるまい。かえってソックリだったらエグ過ぎて正視に耐えないと思うよ。そういう意味でも、玄じょうを倉科カナにやらせるという解釈は十分にアリです。
ただ、全体的に原作のどぎついアクが抜けてしまったため、「西遊記」のゆる~いパロディにとどまってしまった感は否めず。酔拳をあやつる温水洋一のカンフーアクションはなかなかイケているけどね!