少女 (2016):映画短評
少女 (2016)ダークだが光も宿る青春ドラマの力作
湊かなえの原作を基本的に踏まえた映画化。人の死の瞬間を見たいという少女や、イジメの被害に遭うその同級生らのダークな群像劇が繰り広げられ、スリルとともに衝撃的でもある。
演出面で面白いのは、東映の作品にしては音楽が極端に少ないこと。ここぞという場面でのみエモーショナルなスコアがフィーチャーされる。そんなメリハリを通して、ダークではあるがそれでも光を求めている少女たちの複雑な心情が浮かび上がる。
偶然の出会いの連鎖は2時間弱のドラマで語るには出来すぎている気もするが、力作であるのは間違いない。劇中でほとんど笑わない本田翼の、シャープな存在感も光る。
この短評にはネタバレを含んでいます