恋恋風塵(れんれんふうじん) (1987):映画短評
恋恋風塵(れんれんふうじん) (1987)台湾ニューウェーブを代表する傑作もリバイバル!
日本における侯孝賢監督の名声を不動のものにした傑作青春映画もリバイバル。デジタル・リマスター版は既にソフト化もされているが、やはりこういう作品は映画館のスクリーンで見たい。
高度経済成長期前夜の貧しくも美しい台湾の風景、恋愛と呼ぶにはあまりにも不器用な若い男女の淡い恋。初めて見たのは確か大学生の頃だったが、中年になった今だからこそ青春のつかの間の輝きは一層のこと眩しく、その切ないほろ苦さに心を揺さぶられる。
味付け玉子がおかずの質素な食事を囲む若者たちの溌剌とした笑顔、年老いた祖父とタバコを吸いながら空を眺める青年。琴線に触れるシーンも当時とは違う。だからこそ、名作は繰り返し見るべきだ。
この短評にはネタバレを含んでいます