ティファニー ニューヨーク五番街の秘密 (2016):映画短評
ティファニー ニューヨーク五番街の秘密 (2016)ライター3人の平均評価: 3.7
ティファニーを愛するセレブたちの金銭感覚にもビックリ
180年近くにも及ぶティファニーの歴史を紐解きつつ、従業員やデザイナー、縁の深いセレブらの証言を交えながら、同ブランドが世界中の女性を虜にしてやまない理由を解き明かすティファニー公認のドキュメンタリー。
19世紀半ばで早くも現代に通じるブランド戦略を実践していた先見の明に驚かされ、完璧な美を求めて妥協を許さない制作現場の職人技術にも感心。次々と飛び出す豪華絢爛なジュエリーの数々もブランド公認映画だからこその贅沢だ。
と同時に、数万~数十万ドルもするジュエリーを母娘で愛用してたりするセレブたちの話を聞いていると、まるで異次元の人々といった感じ。庶民の私には一生縁のない世界だな。
宝石に興味なかったけど、一気にティファニーのファンに!
バブル時代、イケてる男の子がティファニーのオープンハートを恋人に贈るのを「ケッ」と思っていたので、老舗宝飾店への憧れは薄かった。もちろん仕事柄、デザイナーの入れ替えなどには詳しかったけれど、映画で描かれるティファニーの奥深さには驚くやら感動するやら。豪雪のなかでも店を開けた創業者スピリットを皮切りに、今なお多くの女性を魅了するティファニー・ブルーへのこだわり、顧客しか手に出来ないブルーブックの存在などなど。セレブ文化に毒され、婚約指輪はハリー・ウィンストンかニール・レーンだわと憧れていた自分を猛省。ミランダ・カーにティファニーの婚約指輪を贈ったエヴァン・スピーゲルに心の中で座布団10枚!
宝石に興味なくとも、一企業のCI成功例として必見
女子向けと切り捨てていたら勿体無い。
これは来年創業180年を迎える老舗ブランドが、流行や文化を発信しつつ、いかに企業イメージを確立していったかを紐解いたドキュメンタリー。
マーケティングを学んでいる人は、非常に参考になるのではないだろうか。
中でも”N.Y.にティファニー有り”と言わしめるような付加価値作り。
ヤンキースのロゴやスポーツイベントのトロフィーなど米国を象徴するモノに多数関わっており、
それらの歴史的瞬間を見て育った人たちが同社に憧れを抱くのもナットク。
余計なインタビューや演出がちょこちょこ入るのが鼻に付くが、貴重な映像やスタッフの本音トークもあるので、そこはグッと我慢したい。