人間の値打ち (2013):映画短評
人間の値打ち (2013)自分にとっての「幸せ」を知っておくべし
ひき逃げ事件を巡って犯人と思われる人が次々と浮上する展開で、主人公を変えながら同じ時間軸を多角的に描く手法はミステリー調。でもセレブの仲間入りを目指す俗物おやじや美貌を武器に富豪の妻となった女性、多感な高校生などの心情が入り乱れる物語は非常に良質な人間ドラマとなっていて、それぞれの思いや言動が心に突き刺さる。登場するのは欲望や夢を心に秘めながら他人からの視線を気にして行動するような人間ばかりで、鬱屈が爆発する様が恐ろしいやら哀れやら。人間はやはり身の丈を知り、自分にとっての「幸せ」とは何かを知っておくべきと心に刻みました。夢を持つのはいいけど、上ばっかり見てても仕方ないからね。
この短評にはネタバレを含んでいます