ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~ (2017):映画短評
ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~ (2017)料理人版「ブラック・ジャック」を、もうちょっと見たかった
一応、主人公は二宮和也が演じる現代のシェフなのだが、彼の料理の腕や性格を伝えるドラマが少ないので、料理人版「ブラック・ジャック」とも言える、天才&大金で仕事を受けるという個性的なキャラが生きてこない。そこが、ちょっと残念だった。
観客に強くアピールする人物は、過去の西島秀俊の料理人だろう。歴史や人間関係に翻弄されながら、世紀のメニューに挑む姿はそれなりにドラマチックだ。現代部分が穏やかなせいか、2つの時代の物語がリンクする結果にも、驚きや大きな感動は感じられなかった。
もちろんこの作品の最大の魅力は、満願全席の料理や食材の数々。そこだけで満腹感が味わえるのは事実だけれど……。
この短評にはネタバレを含んでいます