あゝ、荒野 前篇 (2017):映画短評
あゝ、荒野 前篇 (2017)その熱量に、続けて『後篇』見たくなる
怒涛の157分だが、それだけで二の足を踏むのはもったいない。衝撃のオープニングから激アツの群像劇を先導するのは、菅田将輝×ヤン・イクチュンだが、無責任キャラの“片目”を演じるユースケサンタマリアが、笑えるくらいハマり役。そんな彼らが肉体を駆使し、リングやベッドで戦う姿はあまりに人間臭く、せつない。東京オリンピックや震災など、原作の世界観を踏襲しているため、至るところで昭和感がダダ洩れしているが、映画オリジナルの主人公の母の登場で、より寺山臭が強まった感は興味深い。正直ヒロインは舞台版の黒木華で観たかった気もするが、それはさておき、すでに配信が始まったように連ドラ感覚で観るのもいいだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます