華麗なるリベンジ (2016):映画短評
華麗なるリベンジ (2016)ライター2人の平均評価: 3.5
ドンウォンのハの字眉がスゴい!
“ファン・ジョンミン映画にハズレなし”は、本作でも健在。『ベテラン』の刑事が検事になったような武闘派ジョンミンに、中学英語で帰国を気取ったと思えば、めっちゃ踊りまくり、困ったときはハの字眉でキメ!と、見せ場ばかりのカン・ドンウォン。塀の中と外に分かれて計画を進めるため、バディ感が足りないのは悔やまれるが、初監督のイ・イルヒョンは、ドンウォンの『群盗』や『マイウェイ 12000キロ』などの大作で助監督としてのキャリアを積んだ職人。設定は泥臭い社会派ながら、笑いもアクションもアリ、『プリズン・オン・ファイアー』『インファナル・アフェア』など香港映画の影響もアリと、しっかりエンタメに仕上げている。
ファン・ジョンミンは、アンチ権力が似合うな〜
富と権力に物を言わせる財閥のボンボンを追い詰めた『ベテラン』に続き、ファン・ジョンミンが今度は腐敗した権力に闘いを挑んでいく。韓国庶民の気持ちに寄り添うアンチ権力キャラが本当にお似合いだ。ハメられて囚人になった検事のマイナスからの復讐劇と聞くとダークな雰囲気だが、イ・イルヒョン監督は物語の端々に人情や笑いを加え、快活なテンポで進行する。検事と詐欺師を組ませる発想も面白い。これがデビューとなる監督のリズム感のいい演出は今後も期待したい。そして意外な魅力を発揮するのがボケ役に徹したカン・ドン・ウォン。ボコボコにされたり、怪しい英語を連発したりと脱イケメンなお笑い担当として頑張っている。