ストーンウォール (2015):映画短評
ストーンウォール (2015)ライター2人の平均評価: 3.5
かつて若者たちが抱いた怒りと悲しみからLGBTの今を考える
いわゆるゲイ解放運動の原点「ストーンウォールの反乱」を背景にした青春ドラマ。アメリカでゲイの人権活動が盛んなのは、それだけ差別が激しいからなんだよ、と若い頃に教えてもらったが、本作を見るとなるほどと納得する。史実を改変した点が本国では批判されているようだが、本作においてそこは必ずしも重要ではないだろう。
47年前のゲイを取り巻く状況と今を比べて、果たして社会はどれだけ寛容になったのか?我々は差別を克服できたのだろうか?そこが要だ。振り返って、同性愛に比較的寛容な文化もあってか、少なくとも表立ってはゲイ差別が見えにくい日本社会は、それゆえに本当の意味での理解が浸透しづらいのかなとも思った。
LGBTの権利獲得までにまだまだ長く険しい道が待っていそう
LGBTの人々が迫害に抵抗した暴動とホームレスのLGBTキッズの悲惨な人生を混ぜた意欲作だ。主人公ダニーを白人のジェレミー・アーヴァインが演じたためにアメリカでは「史実と違う」など大バッシングを受けたが、知られざる歴史の1ページやストリート・キッズの現状を周知する役目は立派に果たしている。主人公が冒頭、同性愛者に電気ショックを与えて治療するアホらしい学術(?)を教えられる場面があるが、マイク・ペンス次期副大統領は「同性愛者にはコンバージョンセラピーが効く」と信じているとか。怖いし、時代を逆行するね。というわけで、長く険しい道が待っているLGBTの人々を理解するためにも見てほしい1本だ。