世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方 (2014):映画短評
世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方 (2014)鋭い社会風刺を込めた痛快キッズ・ムービー
一見すると、腕白盛りのチビッ子たちが頭の固い大人どもを相手に大暴れする愉快なキッズ・ムービーだが、しかし同時にこれは、不寛容が蔓延する現代社会へ向けた痛烈な風刺コメディでもある。
世界で最も平均的、要するに普通な場所と認定されたことで注目を集める村。これを誇りに感じた大人たちは村から普通じゃないものを次々と排除し、これを商機と捉えた大企業は村の環境をどんどん平均化していく。つまり、偏狭な保守主義とグローバリズムの波がドイツの片田舎に押し寄せるのだ。
しかし平均的で普通なことほど退屈なものはない。もう黙ってられない!とばかりに反旗を翻す子供たちの奇想天外な大活躍が実に痛快だ。
この短評にはネタバレを含んでいます