昼顔 (2017)：映画短評

さすがは『容疑者Xの献身』など、人気ドラマの「THE MOVIE」感を払拭するのが巧い西谷弘監督。インスト版「他人の関係」をバックに展開するモンタージュなど、山本英夫による撮影も、じつに映画的だ。一見さんにも優しい作りだが、蛍と七夕をキーワードにした井上由美子の脚本は、冒頭のモノローグから死亡フラグ立ちまくり。これがどう回収されるかというミステリーや田舎ホラー要素を楽しめるなか、やはり乃里子がキーパーソンに。文字通りの暴走行為ながら“しっかり峠を攻める”あたり、韓流ドラマもビックリだ。それにしても、蛇白を演じる『関ヶ原』など、近年の伊藤歩の存在感はすさまじく、目が離せないことになっている！