エルミタージュ美術館 美を守る宮殿 (2014):映画短評
エルミタージュ美術館 美を守る宮殿 (2014)エルミタージュを守ってきた歴代職員の高い志に感動
女帝エカテリーナ2世によって創設され、ロシア革命や第二次世界大戦、ソ連解体など様々な歴史の荒波を乗り越えてきたエルミタージュ美術館。その長い苦難の歴史を丹念に紐解きつつ、舞台裏で美術品の保存や修復に携わる技術者や、美術館を存続させるため一丸となって知恵を絞る職員たちの弛まない努力に迫るドキュメンタリー。
特に感銘を受けるのは、時の権力者の思惑や社会情勢による幾多の危機からエルミタージュを懸命に守ってきた歴代職員の志の高さだ。そこが常に権力の加護を受けてきたルーヴルなど他の世界的美術館との大きな違いだろう。それに引きかえ、日本では図書館職員が貴重な書物を平気で焼き捨てるような始末だからね。
この短評にはネタバレを含んでいます