デメキン (2017):映画短評
デメキン (2017)「ビー・バップ」世代直撃のヤンキー映画
監督は三池(崇史)組出身の山口義高だが、『クローズZERO』とは別モノ。高校生に見えない役者に、泥臭いケンカシーン、80年代な小道具と、「ビー・バップ・ハイスクール」世代なら熱くなること必至のヤンキー映画である。ヤサ男な雰囲気ながら、堂々と主演を張る健太郎も悪くないが、彼を喰う勢いの山田裕貴と、妙に肝の据わった芝居が目を惹く今田美桜演じるカップルがとにかくいい。いかにも足立紳の脚本らしい熱量も全開だが、Vシネ&プログラムピクチャー感を出すのであれば、115分の尺はあまりに長すぎる。そのため、疾走感より牧歌的な雰囲気が強調されてしまった感もあり、編集で20分は切るぐらいの意気込みも見たかった。
この短評にはネタバレを含んでいます