オペレーション・メコン (2016):映画短評
オペレーション・メコン (2016)ライター2人の平均評価: 3
エンタメ感満載、疲労感確実の戦争映画
『ブラッド・ウェポン』冒頭、ヨルダンでの戦闘シーンで「戦争映画もイケる!」と感じさせてくれたダンテ・ラム監督が、衝撃の実話を映画化。公安を主人公に据えたことで、中国当局のプロパガンダ映画と化す恐れもあったが、エディ・ポン演じる一匹狼の諜報員キャラなど、香港映画的要素も手伝って、麻薬密造業者との戦いをエンタメ感満載、疲労感確実の戦争映画に仕上がった。ジョン・ウー最新作『追捕』で福山雅治とW主演を張るチャン・ハンユーにオヤジ萌えし、『シティ・オブ・ゴッド』<『ディア・ハンター』なクスリ漬けな少年兵の姿に震え、『ローグ・ワン』のチアルートにも通じる戦火のワンちゃん大行進に涙しろ!
実話も盛りに盛れば痛快ポリス・アクションになる
メコン川流域のゴールデン・トライアングルといえば、麻薬犯罪の温床。タイとミャンマーとラオスが交錯する地域に中国公安が切り込むという、「国際ルール無視の大国ってすげーな」な展開に驚きつつも、猛スピードで物語が進む。ガオ率いる公安チームの「犯罪者であれば国籍問わず逮捕する」メンタリティは正義を追求するダンテ・ラム監督の気持ちを代弁している? 監督と組むのがこれで3本目となるエディ・ポンはいつもとは顔が違うので戸惑ったが、途中で理由が明かされて納得。銃撃戦にカー&ボートチェイスと全編、ド派手な娯楽展開なので、最後に実話ベースと知って驚きました。実話ベースの次作『オペレーション・レッドシー』も見たい!