あのコの、トリコ。 (2018):映画短評
あのコの、トリコ。 (2018)ライター2人の平均評価: 2.5
芸能界サクセスモノとしての面白さ
学園モノであると同時に、芸能界サクセスモノとして人気の原作だけに、単なるキラキラ映画と違う魅力も売りの本作。原作ではドラマの視聴率を競った男子2人が、日本アカデミー“風”映画賞の男優賞の座を争う脚色も、いかにもピコ太郎(古坂大魔王)なギャグもアリだろう。しかも、「(ヒロイン)雫の笑顔のためなら、何だってやる」と暴走気味な主人公に、“何かを感じる”岸谷五朗演じるCMディレクターの眼差しという“狂気”が無謀な展開を引っ張ってくれる。とはいえ、後半のパワーダウンが否めないうえ、『僕らのごはんは明日で待ってる』が印象的だった新木優子が演じる雫は、オトナっぽい気も。
主演キャストのファンならば恐らく楽しめるのかも
芸能界でスターを目指す幼なじみ男女3人の三角関係。良くも悪くも少女コミック原作のティーン向け恋愛映画だ。それ以上でもそれ以下でもない。主演キャストのファンであれば、恐らくそれなりに楽しめるのだろう。ただ、一つだけどうしても引っ掛かる部分がある。受け身すぎるヒロインの描写だ。「〇〇は俺のものだ」「俺が負けたらお前に譲る」とライバル男子2人だけで勝手に取引成立。いやいや、今どき女をモノ扱いか?本人に選択権はないのか?しかも陰でその会話を聞いているヒロイン、そこは怒るとこだろう?と。ティーン向け映画に目くじら立てなくても…と言われるかもしれないが、むしろだからこそ「これでいいのか?」感が拭えない。