あさがくるまえに (2016):映画短評
あさがくるまえに (2016)命がつながることの重さとつなげた人たちの思いが胸に迫る
心臓移植をテーマにしたドラマと聞いていたので医療ものを想像したら、はるかに深い感動が待っていた。監督は映像センスも素晴らしいが、人物描写が非常に巧み。提供する側(自動車事故で脳死状態の青年)と受ける側(心臓疾患がある中年女性)それぞれの人生や家族の葛藤をコンパクトながらも丁寧に描き、人物像に深みを与える。だからこそ見る側に彼らの気持ちがしっかりと伝わるのだ。また移植コーディネータや医師、看護師らの立場や気持ちを明確にすることで物語をメロに流さなかったのも好感度が高い。とはいえ移植コーディネータ、トマが約束を守るシーンには涙…。命がつながることの重さとつなげた人たちの思いが胸に迫ってきた。
この短評にはネタバレを含んでいます