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去年の冬、きみと別れ (2018):映画短評

去年の冬、きみと別れ (2018)

2018年3月10日公開 119分

去年の冬、きみと別れ
(C) 2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会
相馬 学

ヒトの二面性を活かしたミステリー作りが○

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 サイコスリラー風の前半から一転、後半はミステリーが主体に。どちらもスリリングであり、それを支えているのが主要キャラクターたちの二面性にある点が面白い。

 どういう二面性かはネタバレになるので伏せるが、主人公の若きジャーナリストも、その婚約者も、頑固な編集長も、状況を支配する天才カメラマンも、それぞれに裏の顔があり、後半に明かされるそれらが謎解きの肝になる。この転調は評価の分かれ目になりそうだが、ユニークな構造は評価したい。

 前半のミスリードが過ぎる点は少々気になるものの、二面性を表現した役者陣の妙演は吸引力があるし、タイトルにつながる切ない着地点も意外性が宿り、気持ちよく騙された。

この短評にはネタバレを含んでいます
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