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ジオストーム (2017):映画短評

ジオストーム (2017)

2018年1月19日公開 109分

ジオストーム
(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.2

清水 節

驚きはないものの安定の破壊っぷりはポップコーン片手に楽しめる

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 天才科学者ジェラルド・バトラーとアンディ・ガルシア大統領の国で起きる最悪の事態は、既視感満載。監督の元相棒エメリッヒのブレイク作、気象衛星悪用をめぐる政治陰謀サスペンス『スペースノア』(『ディストラクション/地球滅亡』)のアップデート版と考えれば、穏やかな心持ちになる。天変地異に驚きはないものの、安定の破壊っぷりはポップコーン片手に楽しめる。アビー・コーニッシュの活躍と天才子役タリタ・ベイトマンに眼を奪われていると、意外な悪人が聞き覚えのある犯行動機を口にした。「アメリカが再び偉大になるために!」。案外このバカ騒ぎは、知性を欠いた為政者が罵り合う世界の映し鏡かもしれないと身も凍りつく。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ヘルナンデス!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

どこか『パシフィック・リム』な導入に、『トランスフォーマー』(新シリーズの方)から、やっぱり『アルマゲドン』になる主人公の状況と、既視感アリアリのなか、まさかの陰謀サスペンスに突入! で、肝心のディザスターシーンはあるにはあるが、それ目的で、わざわざ4DXを選ぶまでもないといったところか。一部で話題のチェック柄男子を演じるダニエル・ウーの香港映画ファンを裏切らない展開や、アビー・コーニッシュの覚醒っぷり、まさかのロケットランチャー発射まで、長編映画初監督となるディーン・デブリンはエンタメを分かってるといえば、分かってる。ただ、単なるビギナーズラックかもしれない、という一抹の不安も感じる。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

ひとまずディザスター映画として平均点以上の仕上がり

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 監督はローランド・エメリッヒの相方ディーン・デヴリン。だからなのだろうけど、気象コントロール衛星の運用を巡る政治的陰謀サスペンスを描く基本プロットは初期エメリッヒ作品『スペースノア』そっくりで、世界各地で起きる異常気象パニックのスペクタクルは完全に『デイ・アフター・トゥモロー』。そこへ『アルマゲドン』的な感動要素も盛り込まれ、どこかで見たような展開だらけなことは否めない。
 ただ、ジェリー・ブラッカイマーの指導によるリライト&撮り直しが功を奏した面もあってか、ひとまず平均点レベル以上のディザスター映画には仕上がっている。思いきり金のかかったアルバトロス作品というくらいの気持ちで臨まれたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

地球危機をこんな人たちに任せて大丈夫?という危うさも魅力

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

世界規模のパニックに、特定の人物の“個人規模”なヒューマンドラマを組み合わせる。好き嫌いは別として、ローランド・エメリッヒ監督の得意技をきっちりと継承した一作。卵が一瞬で目玉焼きになる道路に平気で人間が立ってたりなどツッコミを入れる余裕もないほど、圧倒的な天変地異のスペクタクル映像が畳み掛けられ、ある種のカタルシスを得られるのは間違いない。

出てくるキャラクターが一様に「この人に、地球の運命を託して大丈夫?」という危なっかしさを漂わせてるのも、ご愛嬌。その中で、極秘情報の解析を任されるデイナという女性がインパクト大。外見からは予想もつかない活躍に、ギャップ萌えしてしまうだろう。

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平沢 薫

これはもう異常気象のレベルを超えた"超常気象"

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 世界中の天候を制御する気象コントロール衛星が暴走して異常気象が発生。この設定で、異常気象の映像がニュースでおなじみの昨今、驚愕映像が見られるのか。その心配は不要。この映画で発生するのは、ただの異常気象ではなく、SFレベルのいわば超常気象。走っている人間が寒波で凍る。そんな超常気象が世界各地で起きる。なにしろ監督は、プロデュース及び脚本でローランド・エメリッヒ監督のディザスター映画「インデペンデンス・デイ」とその続編に参加したディーン・デブリン。あのシリーズに通じるスケールとテイストだ。気象衛星暴走の背後には陰謀があり、衛星設計者兄弟の人間ドラマもあるが、まずは派手なVFX映像が見もの。

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森 直人

パニックごった煮!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

「細かいことは一切気にしない」というルールを自分の中で決めてから臨むと、これは本当に見モノ!(点数はそこに則ったものです)。エメリッヒの諸作や『イントゥ・ザ・ストーム』『カリフォルニア・ダウン』等の成果に上乗せし、ひたすら記録更新を目指す地球破壊。展開もめっちゃ豪快。ジェラルド・バトラー扮する天才科学者が全世界の天候を操作・管理できる衛星システムを発明したという初期設定なのだから……もはや何が起こってもおかしくない!

王道のディザスター映画のやみくもな進化形。『ゼロ・グラビティ』がハリウッドにもたらした影響のでかさも再確認。ちなみにお話は、あるアングルから見ると『宇宙兄弟』に似ています。

この短評にはネタバレを含んでいます
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