青春夜話 Amazing Place (2017):映画短評
青春夜話 Amazing Place (2017)愉しく切ない「復讐」
一度見たら忘れぬ風貌の須森隆文が『ぼくらの亡命』に続いて風変わりなボーイ・ミーツ・ガールに飛び込む。今回の「亡命」先は夜の学校だ。目的は「青春のやり直し」。イメクラ的、という身も蓋もない言葉が、普遍に手をかけそうになる率直さ。いや、これはまいったな!
「だがしかし、それでも、『青春』という言葉に違和感を持った自分を忘れないでいることが、逆説的に自分の『若さ』を形作っていることを信じたい思いがある」。これは監督を務めた評論家・切通理作の初期の名著『お前がセカイを殺したいなら』からの一文だ。時間に逆らい「若さ」を加速させる自由な大人は、青春への「復讐」を長い時間かけて遂行しようとしているのかも。
この短評にはネタバレを含んでいます