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パンとバスと2度目のハツコイ (2017):映画短評

パンとバスと2度目のハツコイ (2017)

2018年2月17日公開 111分

パンとバスと2度目のハツコイ
(C) 2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

くれい響

『mellow』後に、観返すとみえてくるもの。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

今や勢い止まらぬ、今泉力哉監督における起爆剤となった一作。山下健二郎のこじらせっぷりや、ややこしく滑稽なおなじみのシチュエーションはもちろんだが、流れで職人になったヒロインに、同性に対する想いや志田彩良演じる何気ないキャラの重要性などなど、『mellow』と同じく、関テレ映画として観返すことで、いろいろと共通項がみえてくる。まだまだ尺の長さが気になるなか、山下演じる初恋相手に対し、すべてが見えていないヒロインが緑内障である設定には、あざとさを感じながらも、やはり唸らされる。ちなみに、そんな目薬を差す姿も印象的な深川麻衣が醸し出す聖母感は、『愛がなんだ』より断然濃厚だったりする。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

ソフト化のタイミングで未見の方はぜひ!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

劇場公開時に書き損ねたので遅ればせながらの賛辞を。今泉力哉イズムの恋愛輪舞が商業映画の企画内で端正かつ高精度にまとまった逸品。「好き」の不安定・不確定と絵を描くことの終わりを巧く掛けたオリジナル脚本。ポール・オースター『孤独の発明』(使い方がわりに村上春樹的)なども伏線のピースというより出汁のもと的な余白として効いてくる。この辺りのセンスは上等。

そして何より役者の良さだ。ヒロイン・深川麻衣をはじめ、妹・志田彩良、達者な伊藤沙莉(設定に注目)の魅力。とりわけ「非文化系」の好青年、三代目JSBの山下健二郎のキャラは今泉の画期ではないか。マイペースな作家の確かな自己更新が見て取れる嬉しい一本。

この短評にはネタバレを含んでいます
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