アメリカン・ヴァルハラ (2017):映画短評
アメリカン・ヴァルハラ (2017)単なる音楽映画ではない、“時間”を見つめた傑作!
イギー・ポップとジョシュ・オム、世代を超えたカリスマのコラボというだけで音楽ファンとしてはときめくが、本作の魅力はそれだけにとどまらない。
ずっと続いて欲しいと時間は一瞬で、どうでもいい時間は長い――ジョシュのそんなナレーションが本作のテーマを表わしている。観客が見るのは、一瞬のとてつもない輝き。親子ほど年の離れたイギーとジョシュのキャリアが交錯したとき、素晴らしいアルバムとコンサートが実現した。そんな時間の輝きはウォン・カーウァイの初期作品のように美しく、切ない。
音楽をじっくり聴かせる映画ではないのでファンには不満もあろうが、そこは市販のアルバムとライブ映像で補完を。
この短評にはネタバレを含んでいます